G20諸宗教フォーラム2019京都

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6月11~12日

6月11~12日

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パネリスト・モデレーター紹介

サウティ・メメティ 氏

Shawuti Mohemaiti

第6セッション
「抑圧された人々と共に生きる」

パネリスト

経歴

わたくしは東トルキスタン(いわゆる中国の新疆ウイグル自治区)のウルムチ出身です。学校を卒業して、中国の国営鉄道会社で働き、2016年4月来日しました。2018年から徳島大学院で国際政治を専攻しています。

日本に来てから、中国における少数民族に対する差別政策、ウイグルでの弾圧などを日本人伝えてきました。これからも、徳島大学院で勉強をしながら、ウイグルの現状を伝えたいいと思います。よろしくお願いいたします。

Curriculum Vitae

Shawuti Mohemaiti is born in Ürümqi in East Turkestan - Xinjiang Uygur Autonomous Region in the Peoples Republic of China. He worked for a state-owned railway company in China and came to Japan in April 2016. He majored in international politics at Tokushima University Graduate School from 2018. Since he came to Japan, he has informed Japanese people about China's policy on discrimination against ethnic minorities and suppression in Uygur.

梗概

■ ウイグルでの宗教弾圧

今日ウイグル人として、G20諸宗教フォーラムを割いていただき、本当にありがとうございます。

ウイグル人は東トルキスタン(所謂新疆ウイグル自治区)で暮らしているテュルク系民族です。

皆さんご存知の通り、中国共産党政権は形式てきにはマルクス主義を信仰している社会主義の国です。マルクス主義者は宗教に対して否定的な立場をとることがあります。マルクスは「宗教は、逆境に悩める者のため息であり、それは民衆の阿片である」と述べました。中国共産党の基本政策でも宗教はいずれも消滅するが、短期に宗教の自由を保障と尊重するとしています。無神論の中国で公の場では宗教は等しい迷信です。化学が発展すれば、宗教はなくなるという説は多くの中国人の中で認識されています。

ウイグルは歴史で仏教、シャマニズム、マニ教、キリスト教を信仰したことがあります。1千年前から、イスラム教に改宗しました。今までムスリムの生活習慣を守ってきました。ウイグルは歴史でシルクロードを通して、架け橋のような存在となった民族です。今日本に定着している仏教にはウイグルが翻訳した仏典、作った言葉が沢山あります。(鳩摩羅什先生)。

しかし、1949年ウイグルはに侵略され、苦しい生活が始まりました。

中国共産党政権は建国直後の頃、完全ではないですが、宗教習慣を尊重しました。1957年に始まった反右派闘争の時代からあらゆる宗教に対して厳しい批判、無神論を強調しました。1966年に始まった文化大革命から、宗教に対する迫害が激化しました。宗教施設モスク、教会、お寺などを破壊したり、宗教信者を迫害したりしました。1978年に文化大革命から改革開放政策に転換しても、宗教を否定する観点は変わっていません。

2011年9.11多発テロ事件が起こったときから、中国政府は正当な権利を求めるウイグルを「テロリスト」のレッテルを貼ることで、厳しい弾圧を正当化しました。2013年習近平政権の成立以来、ウイグル人の人権侵害、宗教弾圧が加速度に悪化し始めました。2017年に、あらゆる宗教を「中国化」する政策を出しました。

「宗教中国化」とは、宗教の教えが中国共産党の理論に従わなければならないことです。また、宗教施設は西洋風ではなくて、中国化、中国共産党化に変わることです。中国にいる宗教信者の活動を完全に中国共産党の監視下に置かれています。

中国共産党は建国直後、中国キリスト教、中国仏教協会、中国イスラム協会など、宗教を管理する機関を設けました。この機関は中国共産党と指示を具体化して、色々な政策を出しました。例えば、インターネット上での聖書販売が禁じられました。教会の十字架が撤去されました。家庭教会、地下教会への弾圧強化しました。

中でも一番ひどい情況はウイグル人です。中国イスラム協会は2022年までの5年間で、社会主義の価値観に合わせて、イスラム教を中国化する5カ年計画を出しました。「新時代中国の特色ある社会主義思想」を徹底し、党の指導に従って、イスラム教徒を正しく導くと説明しています。ウイグルでモスクは監視カメラが設置され、ウイグル語の出版物、宗教行事などの管理を強化され、モスクが崩壊されたりしてます。

ウイグルで赤ちゃんの名前にも規制がかかります。ウイグルで人気の高いムハマディ、イマーム、アジ、マディナー、イスラム、メッカなど29の名前がイスラム色の強い名前とみなされて、使用禁止されています。

イスラムの教えに基づいて信仰を守ろうとしただけで「過激派」と認定され、過激思想に影響を受けたとみなせば、犯罪ではなくても警察当局の判断で住民を拘束されて、再教育施設へ収容されます。ひげを伸ばしている男性、ヒジャブで頭を隠している女性、イスラムの聖書クルアーンを読める、お祈りする、ラマダンをするなどは、過激思想の影響を受けていると思われ、収容されるケースもあります。さらにウイグルに対しては豚肉を食べるように強要し、ウイグル女性には漢族男性と結婚するよう強要しています。

再教育施設を出た人の証言によると、再教育施設は強制収容所そのものです。再教育施設で共産主義を信じさせるよう洗脳教育を行っていいます、無神論を教え込む、繰り返して自己批判させたり、中国共産党を支える歌を歌わせたりしています。精神的に、肉体的に打撃を受けて、死者も出ています。

中国政府はなぜ、宗教を恐れているのか?それはあらゆる宗教は人間よりも上に神様がいることを信じて、自然を大事にしたり、人間を愛しているからです。人間の本質を壊す、階級闘争を強調するなどの遺伝子を持つ中国共産党と合わないからです。

宗教は弾圧すればするほど強くなるのではないかと私は思います。神様を否定する、欲望を控えない中国政府は必ず失敗すると信じています。

日本の皆様を含む国際社会はこの問題を座視せず、明確に改善を求めるべきであると思います。